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広い敷地でひときわ目立つのが、HIMAC(略称ハイマック、と呼ばれる重粒子線がん治療装置の納まる重粒子線棟。
主加速器の直径は約42メートルで、施設全体は約120メートル×60メートルと野球場ほどある。
「対がん10か年総合戦略」の一環で88年から93年に350億円をかけてつくられた。
X線やガンマ線を使った放射線発生装置は小さいのに、なぜ重粒子線には大がかりな施設が必要なのだろうか。
ひとくちに放射線といっても、X線やガンマ線は電磁波の一種で光の仲間。
これに対して、電子よりもはるかに重くて大きい炭素、ネオン、シリコン、アルゴンなどの粒子を高速度に加速したものが重粒子線である。
重粒子線には、中性子線、陽子線、重イオン(炭素イオン、ネオンイオン、アルゴンイオンなど)線があり、それぞれ固有の性質をもつ。
ちなみに、自然界の放射線のひとつとしてよく知られているアルファ線は、へリウム粒子が高速度に加速されたものである。
重粒子線は重い分だけ、十分にエネルギーを加えて加速しなければ、体内の照射したい場所に到達させられない。
ハンマー投げの選手が全身を回転させて加速をつけるのに似ている。
同じように、線型加速器ライナックとドーナツ状の加速器シンクロトロンを組み合わせてギアチェンジのようにスピードを上げ、最終的に光速の8割近い速さに重粒子線を加速し、がん細胞に送りこむ。
放射線ががん細胞に当たるとDNAが傷ついて細胞分裂ができなくなり、がん細胞は死んでねらったところに強力なパンチ粒子が大きい重粒子線は、ガンマ線に比べて3倍もがんの殺傷力が大きい。
T博彦センター長は、「小さなジャブを何度もくりだすより、重いパンチを一発きめたほうが効果的です」とたとえる。
また、また、内部に血液が届かず酸素不足になったがんには、従来の放射線はあまり効かなかった。
このようながんにも、重粒子線はガンマ線の2倍の効果を発揮する。
X線では照射後、損傷したDNAに回復が見られるが、重粒子線だとDNAいくというしくみだ。
DNAに回復がは回復しにくい。
つまり、DNA合成期でも細胞分裂期でも、殺傷効果は変わらずしかも、正常組織に対する障害が少ないことが、最大の特徴である。
照射された放射線の強さ(線量)が体内でどのように変化するかをみると、ガンマ線や中性子線ではからだの表面で最も強く、深く進むにつれて弱くなる。
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